前回からの続きです。
ヨガの第二段階目は、「ニヤマ」(勧戒)です。
ヤマは、社会生活の中で気を付けるべきことが書かれていましたが、
ニヤマは、個人の生活の中でやったほうがいいことが説かれています。
第三段階目はアーサナ、つまりヨガのポーズなんです。
つまりヤマとニヤマができてこそ、ヨガのポーズの効果が高まるんですね。
では早速中身の5つの教えを見てみましょう。
1.シャウチャ(清浄)
自身を清潔に保つこと。
身の回りももちろん、自分の身体や心、精神を清潔に保ちましょうという教えです。
こんな経験ありませんか?
オンラインレッスンを受けよう、と思ってPCを立ち上げてマットを敷いていざ!
…とレッスンを受けている最中に、いつもなら気にならないホコリが気になる…
あそこに髪の毛も落ちてる、そういえばあそこ掃除したのいつだっけ?
集中できない!!…みたいな(笑)
また自分の口に入れる物、食事も大事にしています。
例えばレッスン前にラーメン、餃子セットを食べたとします。
…集中できなさそうなのは一目瞭然ですね。
集中してヨガのポーズをとるためにも、まず身の回り、服装、環境を整えるのは大事なことなんですね。
これは”心”に関しても同じことがいえます。
自分が社会に出て人と接したりすると、色んな考えや価値観と出会い、自分も影響を受けると思います。
そういう価値観や考えがこびりついてしまうと、真実が見えづらくなります。
よく例えられるのは、心=鏡で、価値観=汚れなんです。
それがこびりついてしまうと鏡がよく見えなくなって、自分の本当の気持ちに気づけなくなる、というわけです。
じゃあそのこびりついた考えや、自分の身体を清潔に保つためにはどうすればいいのか?
それがヨガが終わった後の「スッキリした!」という感覚、つまりヨガをするといいんです!
あとはお風呂入ってスッキリした、森林浴して気持ちが軽くなった、ベッドメイキングしてスッキリした、なども同じ感覚です。
そして食事もなるべく消化しやすいものを選ぶことで、【シャウチャ】が達成できます。
2.サント―シャ(知足)
今ある幸せに気づきましょう、という教えです。
今あるものに満足できると、欲望が抑えられます。
欲望って限度がなく、それに振り回されて苦しみが生まれてしまうんですね。
例えば、物欲は分かりやすいと思います。
どうしても欲しいものがあり、それに向けて頑張ってやっと手にいれたとしても、
手に入れた途端満足して、次の最新モデルが欲しくなったり…
より良いほうへ意識を向けるのも大事ですが、
それによって今ある幸せをないがしろにしていませんか?
身体を守ったり着飾る洋服があり、家があり、好きなものが買えるお金があり、
今日の食事も用意できる、家族がいて、友達がいて、パートナーがいて、
好きなところへ行ける健康な体もある。
既に私たちはたくさんのものを持っているんです。
もし欲望に振り回されているな、自分のことを否定してしまいそう、という時は
ぜひこの教えを思い出してくださいね。
3.タパス(苦行・熱業)
自分にとって苦しいことを練習して、心の不純物を焼き払いましょう、という教え。
タパスはまず自分との誓いを立てることから始まります。
毎日朝5時に起きてヨガの練習をする、と誓いを立てたなら、それを守る努力をすること。
時には眠たい、やりたくない、他の誘惑が出てきたりと辞めたくなる瞬間もあるかもしれません。
この惑う気持ちが心の不純物なんですね。
でもそこでやり続ける心の強さ、意志の強さを持つのがタパスの実践です。
よくクラスでもお伝えしている、「自分が成長しそうな苦しみは受け入れる、でもただ痛めつけているだけだったら辞めてくださいね」というのは、まさにアヒムサー(Part.1参照)とタパスの教えからきています。
そこを見極めつつヨガの練習に励めたらいいですね。
4.スヴァディアーヤ(読誦)
聖典やマントラから学びましょう、という教え。
先人達の知恵の結晶である聖典や、聖なる言葉であるマントラを繰り返し唱えることで、
その先生たちや尊敬する人と同じ精神状態になれる、と考えているんですね。
なのでどの人を”先生”とするか、というのはとても大事なんです。
ヨガ以外でも自分が尊敬する人や、この人の生き方を真似したい!という人の本を読むのをおすすめします。
繰り返し自分にその人の言葉や考えを刷り込むことで、尊敬する人に近づけそうですよね。
5.イシュワラ・プラニダーナ(祈念)
イシュワラとは「自在神」のことです。
ヨガでは神様を外側にいる存在ではなく、内側に宿ると考えていたんですね。
その内側にある神様をプルシャといいますが、自分の魂のことです。
自分の本質と繋がるためにヨガをするんですね。
内側の魂はシャウチャでお話ししましたが、色んな価値観で汚れやすいのです。
だからこそ繰り返し、ヨガや瞑想で内観する必要性をここで説いています。
一人一人の内側に神が宿る、という考えなので、一人一人を尊重します。
なのでレッスンの最後に”ナマステ”と唱えることが多いんですね。
一方で自然を”神”と捉えて、日々の出来事に身を委ねましょう、という説き方もあります。
今目の前に起きていることは全て神の思し召しなので、
受け入れられないこと(自然災害など)もありますが、それも全て今の自分に必要だから起きてますよ、という考えです。
どっちが正しいとかではなく、自分が信じられること、これはやってみたいな、という方から実践すればいいのかな、と私は捉えています。
以上がニヤマの5つです。
意識的にでもこの教えを取り入れていくと、自分のことがよく知れて前向きに過ごせそうですよね。
次回からはまた続きからお伝えしますね^^
日常からヨガの練習、一緒に楽しましょう!!
ここまでお読みいただいてありがとうございました。