白露の季節を健やかに過ごす〜秋への体調シフト術〜

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朝晩の涼しさに秋の気配を感じる今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
9月上旬のこの時期は、二十四節気では「白露(はくろ)」と呼ばれる季節です。

白露って何?

白露とは、文字通り「白い露」を意味し、朝の草花に美しい露が宿る季節のこと。
暑い夏から涼しい秋への移り変わりを告げる大切な節気です。
空気中の水分が夜の冷え込みで露となって現れるこの現象は、私たちの体にも同じような変化が起こっていることを教えてくれています。

この時期、
「なんだか疲れやすい」
「肌が乾燥してきた」
「喉がイガイガする」
「なぜか気分が落ち込みがち」
といった体調の変化を感じていませんか?

これらは決して偶然ではありません。
自然のリズムと共に生きる私たちの体が、季節の変化に敏感に反応している証拠なのです。

東洋医学が教える白露の体質変化


東洋医学では、秋は「」の季節とされています。
肺は呼吸を司るだけでなく、皮膚や体毛、そして感情面では「悲しみ」とも関係の深い臓腑です。

この時期に特に注意したいのが「燥邪(そうじゃ)」という邪気。
空気の乾燥が私たちの体にも影響を与え、肌の乾燥、喉の痛み、便秘、空咳などを引き起こしやすくなります。

特に40代以降の女性は、女性ホルモンの変化により体の潤い成分が減少しがち。
この季節の乾燥ダメージを受けやすいため、より丁寧なケアが必要です。
陰陽のバランスでいうと「」が不足しやすい状態なので、体を潤し、心を落ち着かせるケアを意識していきましょう。

経絡・ツボで整える秋支度

肺経のケアで呼吸器を守る

太淵(たいえん):手首の横じわ、親指側のくぼみ

  • 両手首を軽く握り、親指で円を描くようにやさしく押します
  • 深呼吸をしながら30秒ずつ刺激します

魚際(ぎょさい):親指の付け根、手のひらとの境目

  • 反対の親指で、少し痛気持ちいい程度に押します
  • 喉の乾燥や咳に効果的です

大腸経で便秘解消

合谷(ごうこく):親指と人差し指の骨が交わるくぼみ

  • 万能のツボとして有名。便秘、頭痛、ストレス解消に
  • 反対の親指と人差し指で挟むように、3秒押して離すを5回繰り返します



曲池(きょくち):肘を曲げたときにできる横じわの外側の端

  • 腸の働きを活発にし、老廃物の排出を促進します
  • 中指で円を描くように1分間マッサージします

腎経で潤い補給

太渓(たいけい):内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ

  • 体の根本的な潤いを補う重要なツボ
  • 両手の親指で左右同時に、ゆっくりと圧をかけます

湧泉(ゆうせん):足裏、指を曲げたときにできるくぼみ

  • 生命力の源泉。疲労回復と潤い補給になります
  • ゴルフボールなどを踏みながら刺激するのもおすすめ

白露のヨガプラクティス

秋の乾燥に負けない潤いを作る呼吸法

蜂の呼吸(ブラマリ呼吸)

  1. 楽な座位で背筋を伸ばします
  2. 両耳に軽く親指を当て、残りの指は目の上に置きます
  3. 口を閉じ、鼻から息を吸います
  4. 鼻から息を吐きながら、蜂のような「んーー」という音を出します
  5. この音の振動が頭部に潤いをもたらし、心を落ち着かせます

おすすめポーズ3選

1. 猫のポーズ(マールジャーラーサナ)

  • 四つん這いから背骨をゆっくりと丸めたり反らせたり
  • 肺経の流れを良くし、呼吸を深めます
  • 朝起きた時の背骨の調整にも最適です

2. 魚のポーズ(マツヤーサナ)

  • 胸を大きく開いて肺の働きを高めます
  • 肩甲骨を寄せ、首の後ろを伸ばします
  • 浅くなりがちな呼吸を深くリセットします

3. チャイルドポーズ(バーラーサナ)

  • 正座から上体を前に倒し、額を床につけます
  • 不安や心配事を手放し、心の安定を取り戻します
  • 1日の終わりのリセットポーズとしてどうぞ

朝5分、夜5分の簡単ルーティン

呼吸法とヨガを組み合わせたオリジナルルーティンです。
1回5分でできますので、やってみてくださいね^^

朝のおすすめルーティン

  1. 蜂の呼吸(2分)
  2. 猫のポーズ(1分)
  3. 魚のポーズ(2分)

夜のおすすめルーティン

  1. 合谷のツボ押し(1分)
  2. 太渓のツボ押し(1分)
  3. チャイルドポーズ(3分)

食事で内側から潤いチャージ

白い食材で肺を養う

東洋医学では「白い食材は肺を養う」とされています。
この季節積極的に取り入れたい食材をご紹介します。

おすすめ食材

  • 白きくらげ:天然のヒアルロン酸と呼ばれる潤い食材
  • れんこん:咳や痰を鎮め、肺を潤す
  • :喉の乾燥を癒し、体の熱を冷ます
  • 白ごま:良質な油分で肌と腸に潤いを
  • 豆腐・豆乳:体を冷やしすぎず、適度な潤いを補給

簡単レシピ2品

梨と白きくらげの潤いスープ

  • 白きくらげ(乾燥)10g、梨1個、氷砂糖適量
  • 白きくらげを戻し、梨と一緒に30分煮込む
  • 体を温めながら潤いをチャージ

れんこんチップス

  • れんこんを薄切りにし、オリーブオイルで素揚げ
  • 塩を軽く振って完成
  • おやつとして手軽に肺のケアができます

    ぜひ感想をお待ちしております!

避けたい食材と工夫

辛い食材(唐辛子、わさび、生姜の過度な摂取)は、さらに体を乾燥させる可能性があります。
ただし、完全に避ける必要はなく、潤い食材と組み合わせて摂るのがコツです。
辛い物がお好きな方は、バランスをとって取り入れてくださいね。

日常生活のちょっとしたコツ

朝の過ごし方〜露に学ぶ潤いの取り入れ方

朝の露は、夜の間にゆっくりと形成されます。
私たちも同じように、朝はゆっくりと体を目覚めさせることが大切。
起床後すぐに白湯を飲み、深呼吸をして肺に新鮮な空気を送り込みましょう。

室内環境の整え方

  • 湿度は50-60%を目安に
  • 加湿器がない場合は、濡れタオルを干すだけでもOK
  • 観葉植物を置くと、天然の加湿効果が期待できます

40代以降の女性の体調リズムとの付き合い方

この年代の女性は、季節の変化と女性ホルモンの変化が重なり、体調が不安定になりがち。
「今日は調子が悪いな」という日は、無理をせずにチャイルドポーズでゆっくりと自分を労わってあげてください。

完璧を求めず、「今日できることを、今日のペースで」というマインドが何より大切です。

まとめ〜白露期間を大切に過ごすために

白露の季節は、夏の疲れを癒し、本格的な秋に向けて体を整える大切な準備期間です。

今日から始められるポイント

  1. 朝晩の蜂の呼吸で心と肺を整える
  2. 合谷と太渓のツボ押しを習慣に
  3. 白い食材を意識して食卓に取り入れる
  4. 室内の湿度に気を配る
  5. 自分の体調と向き合い、無理をしない

季節の変化を敵と思わず、自然のリズムに寄り添うパートナーとして受け入れてみてください。
白露の美しさのように、この時期特有の体の変化も、実は私たちに必要なプロセスなのです。

次回は「秋分」に向けて、さらに深まる秋の過ごし方をお伝えする予定です。
それまでの間、今回ご紹介したケア方法を試していただき、ぜひご感想をお聞かせくださいね。

皆さまの毎日が、朝露のように美しく潤いに満ちたものでありますように。

またクラスでお待ちしております!